こんにちは、Yutoです。僕は普段APS-C機(α6000やα6600)を使用して、
写真撮影、動画撮影をしております。
本記事では、SONY αシリーズを例に話を進めますが、すべてのカメラで同じ考え方ができます。
この記事は10分程度で読めますが、忙しい人は「まとめ」だけでも見ていってください。
はじめに:フルサイズはAPS-C機の上位互換?
最初に前提として、見出しについて考えていこうと思います。
よくある例として、
・写真撮るのがうまくなってきたから、フルサイズカメラに乗り換えよう!
・初心者だからAPS-C機にしよう…
等の考え方があると思います。
ですが、どちらにもメリットとデメリットがあります。
つまり、フルサイズ機はAPS-C機の上位互換ではないということです。
いい点と悪い点が、表裏一体になっていることをしっかりと理解した上で、自分に最適なカメラを手に入れましょう。
では、カメラ選びの際に必要となる知識について、5つをまとめていきます。
①センサーサイズ(規格)の違い
下図について、フルサイズが黄色の面積、APS-Cが青の面積になります。
この四角は何?という方は合わせて下の写真も見てください。
レンズをマウントする銀枠の中心に四角のセンサーがあります。このセンサーのサイズがフルサイズ機とAPS-C機で異なるということです。
補足ですが、スマホはAPS-C機の16分の1程度のセンサーサイズになります。
カメラのレンズは丸いのに、センサーはなんで四角いのかという疑問はありますが、勿論レンズに写った風景は丸いのです。
それを、カメラが四角くセンサーサイズに切り取っています。
次の画角でも詳しく書きますが、このセンサーサイズの差は何に影響するかというとカメラが映す範囲に差が出ます。
丸い風景を四角くトリミングしたイメージが分かりやすいと思います。
スマホで撮った写真をトリミングすると、残った部分が拡大されますよね。
あれと同じです。
まとめるとこうなります。
- APS-C機で撮ると、被写体に寄った写真が撮れる。
- フルサイズ機で撮ると、被写体から離れた(広角)写真が撮れる。
そしてこのセンサーサイズの違いが、次に説明する画角に影響します。
②画角の違い
35mm換算って何?
ここが一番重要になります。
前の見出しで説明した、センサーサイズの違いは以下です。
・α6000~6600
APS-Cサイズ = 23.5 x 15.6mm
・α7III
フルサイズ = 35.6×23.8mm
この違いによって生まれる差は、
⇒ 同じ焦点距離レンズでも画角が異なる
(35mm換算する必要がある。)
これが35mm換算を必要とする理由です。
わかりやすく言うと、APS-Cサイズはフルサイズの焦点距離の約1.5倍です。
⇒ 23~24mmのレンズを購入するが答えです。(1/1.5倍して35mm換算)
50mmだと、結構中望遠寄りになりため、風景などは撮りづらいです。
(参考)焦点距離による画角の違い
異なる焦点距離のレンズでの画角の違いはこんな感じです。
()の中には35mm換算した数字を記載します。
③どっちがボケるのか?について
結論から書きますが、同じ画角の写真を撮る場合フルサイズ機の方がボケます。
ボケの量は以下によって決まります。
- F値
- レンズの焦点距離
- カメラと被写体の距離
これまで、センサーサイズの差によって画角が異なってくるという話をしてきました。
つまり、2つ目の「レンズの焦点距離」がフルサイズの方が稼ぎやすいのです。
フルサイズでいう焦点距離35mmのレンズで撮れる画角は、APS-C機でいう焦点距離24mmのレンズ撮れる画角です。
35mm > 24mm
この差が、ボケの差になります。あくまで同じ画角でという前提のもとフルサイズ機の方がボケるということです。
同じ焦点距離なら、センサーサイズによりトリミングしている関係か、個人的にはAPS-Cの方がボケるのではないかと思ってます。
(同じ焦点距離なら、ボケ感に差はでないということです。)
④フルサイズの方が優れていること
①~③の内容を前提として、
フルサイズの方が優れている点を箇条書きにします。
基本センサーサイズが大きいことによる光の取り込み具合で恩恵を受けるのがフルサイズ機です。
- 階調(グラデーション)がAPS-C機より綺麗
- 暗所でISOをAPS-C機より上げなくて済む
順番に説明します。
階調について
階調が綺麗である理由は、センサーサイズの大きさによるものです。
1画素当たりの受ける光の量(面積)が少ないのです。
対して、APS-C機は、センサーサイズ小さい分、1画素当たりの受光面積が大きくなり、明るすぎると、白とびや黒つぶれしたりすることがあります。
(念のため補足)
APS-C機は、白とびや黒つぶれするのかぁ…とがっかりした方いるかもしれません。
これらを使えば、APS-C機でも綺麗にグラデーションが出せます。
上記は、カメラ本体の機能です。
カメラが明るさの異なる複数枚の画像を合成して、白とびや黒つぶれを自動的に抑えてくれる良機能です。
暗所での撮影について
これについてが、フルサイズ機を持って一番恩恵を受けられる部分ではないでしょうか。
暗所撮影は、APS-C機よりフルサイズ機の方が得意です。
センサーサイズが大きい分、光を取り込める全体量が多いからです。
同じF値だった場合、APS-C機はISO値を上げることになります。
ISO値を上げすぎると画質に粗が出てきます。
ISO等の基本パラメータについては、まとめましたのでよかったらどうぞ。
ただし、固定してシャッタースピードを落として撮る場合、あまり関係ないです。
風景や花火等の撮影には影響がそこまでないです。
暗所での人物撮影や、三脚不可の場所での夜景撮影はフルサイズの方が綺麗に撮れるでしょう。
撮影スピード落とせるのであればAPS-C機でも大丈夫です!
こんな感じで撮れます。(α6000での撮影)
⑤APS-C機の方が優れていること
こちらについても箇条書きにします。
- 動画(Vlog)等の撮影に向いている。
- コンパクトで軽い
- 価格がフルサイズに比べて安い
VlogやYoutube等の動画撮影
Vlogとか撮るなら手持ちで結構動いたりしますので、2つ目のコンパクトで軽いということにつながるのですが、適してます。
後、α6600や6400なんかは、自撮り用にモニターが180度稼働するのでそれも便利ですね。
α7IIIで自撮りするときは、外部モニター設置したりするので以外と大変です。
参考までに、こんなのです。↓
コンパクトで軽い
これ結構重要です。
ちなみに、α6000シリーズはα7IIIの約半分くらいの重さです。
軽く外出するシーン
例えば、散歩に行くとき、友達と遊ぶとき、彼女とデートするとき等
APS-C機ならさっと鞄に入れられます。
身軽なのは本当にいいことです。
一日中歩くディズニーランドや、登山等でも重さはネックになります。
そもそも、重くて持っていくのが面倒という理由で、写真撮影の機会を失うのは本末転倒だと考えてます。
後、実は都会の中でカメラを構えていると、ただならぬ威圧感があります。
ごついフルサイズ機だとそれが顕著です。
コストパフォーマンスが高い
カメラはかなりお金のかかる趣味です。
カメラ本体と複数のレンズを運用していく必要があるからです。
プロのカメラマン、いわゆるフォトグラファーを目指すなら投資の価値は十分にあるでしょう。
しかし、いい写真をただただ撮りたいという願望をかなえるのであれば、予算をしっかり決めることをおすすめします。
APS-C機はフルサイズよりはるかに安いです。
SONYのAPS-C機のフラッグシップ機(最高級)であるα6600は、約14万円であるのに対し、フルサイズの標準機であるα7IIIは20万円以上します。フルサイズのフラッグシップ機であれば、40万とか50万以上します。
そしてこれは、あくまで本体価格の話です。
カメラの本当の沼は、レンズです。
フルサイズ用レンズは本当に高いです。
一本14万~40万します。
APS-C機であれば、レンズは半額程度で買えます。
まとめ:用途にあったカメラを選ぶ
①~⑤をまとめます。
・取り込める光の量を多くしたい
・ある画角でフルサイズの焦点距離のボケ感が欲しい
・カメラの機能に頼らず綺麗な階調を得たい
・暗所でISOをできるだけ上げず撮りたい
・十分に予算がある
・重くても撮影機会を損失しない
・被写体に寄った写真が撮りたい
・ある画角でフルサイズと同じ焦点距離での写真でぼかしすぎたくない
・階調はカメラの機能で制御する
・ISOを上げた写真でも問題ない(スマホ・PCでの鑑賞)
・VlogやYoutubeに使用したい
・運用コストを下げて多くのレンズを試したい
・常に持ち歩いて切り取りたい
これらをしっかり考えて選べば、最高のカメラライフが送れると思います。